第2段階:シャドーイング(+リピーティング)
第2段階は
シャドーイングとリピーティング
CDの内容がある程度聞き取れるようになったら、この第2段階に入ってください。
第2段階では
- 英文を口ずさむシャドーイングを行う
- 声を出せないなら口だけでも動かす(電車内などでやる方法は後述)
- できればリピーティング(シャドーイング+リピーティング)
- 聞き取りに集中したい英文のときは、リスニングに集中
ということを行います。
このページの目次
シャドーイングはある程度聞き取れるようになってから
*聞き取りができてからでないとシャドーイングは難しいので、スピードラーニングを開始して3ヶ月以降から挑戦しましょう。
英語力をアップさせる、王道といってよい練習方法、それがシャドーイングです。
聞くという受動的な学習に、発声という能動的な学習を追加することで勉強効果を高めるというものです。英語に限らず、学習は、書く・音読するなどの「体を動かす」ものが加わると効果が高くなります。
ただ、シャドーイングをするためには英語が聞き取れていないといけないので、まだほとんど聞き取れないという場合は、無理してやる必要はありません。
スピードラーニング開始から3か月以上たっている方でも、
新しいCDを受け取ってしばらくの間は聞き取りだけ続けてください。そのうち、「あっ!聞き取れた」という日がきますから。
CDを聞き続けて半分程度は聞き取れるようになったら、シャドーイングに進みましょう。慣れてくると、新しいCDを聞き始めて1週間ほどで半分以上は聞き取れるようになります。
シャドーイングに余裕があるなら、リピーティングです。
「どっちも電車の中など、人のいるところではできない・・・」
工夫すればそんなことありません。(私はやっていました^^/)
車内でのシャドーイング方法も紹介します。
追いかけるように声に出す・ボソボソつぶやくでもO.K
シャドーイングとは「聞いた音を追いかけるようにして、自分も口に出す」というトレーニングです。
はっきりとした声で話すのが一番ですが、それが難しい状況ならボソボソと小声でつぶやくようにしても構いません。(バスの中など、つぶやくのも難しい場合については後述します。)
英語音声を聞きながら話すので、初めて聞く場合やまだ不慣れな英文では困難です(上級者はできますけど)。
英語が聞き取れて、ある程度CDの内容を覚えている状態で、シャドーイングをはじめましょう。
なので、受け取ったばかりのCDで無理してシャドーイングをする必要はありません。 新しく届いたCDは、また第1段階の「聞く」に集中しましょう。
さて、普通の英語教材だと英文がほぼ休みなく流れているので、シャドーイングも難しく挫折しがちなのですが、スピードラーニングはその構成上、シャドーイングがしやすいです。
スピードラーニングはシャドーイング向きの教材
スピードラーニングは英語・日本語が交互に流れるため、以下のような構成になっています。
- 日本語訳を入れるため、英語がある程度のところで区切られている
- 日本語訳が流れる
- 次の英語が始まる合図がある
この構成がシャドーイングにいいんです。
スピードラーニングでは、長い英文は途中で区切られて日本後訳が流れます。 英文が長すぎると日本語が後に流れても意味がつかめないからです。
そして、日本語の後に若干の間をおいて、ポーンという音が出てから次の英語が流れます。 これは内容を理解する、次の英語に備えるためのものです。
どれもシャドーイングのために用意されたものではないのですが、これがうまく利用できます。
- まず、英文が長すぎないので、シャドーイングの負担が軽い。長いほどシャドーイングは難しくなりますので。
- 英文の間に日本語が流れるので、この間にシャドーイングを終えることができます。 シャドーイングをひとつ終えて、余裕を持って次の英語を聞き始めることができます。
- 英文が始まる前にポーンという合図が流れるので、ここでシャドーイングを終えられていなかったらひとまずあきらめて、次の英文に集中しましょう。この合図が入ることで、シャドーイングをテンポよく続けることができます。
どうでしょう?
うまい具合にシャドーイング向き教材になっていますよね^^
シャドーイングが遅いと、途中で日本語音声が流れることになるので、日本語がうまく聞けなくなることになりますが、問題ありません。
大切なのは日本語訳を覚えることではなく、意味を理解し、状況がイメージできていること。
数回聞けば内容は頭に入っていますので、聞こえなくても問題ありません。
すべてが聞き取れて無くてもよい
前半にも半分程度聞き取れればと書いたとおり、すべて聞き取れて無くても構いません。部分的な聞き取りができれば、その部分だけシャドーイングするようにしましょう。
英語の勉強で完璧を求めてはいけません。そんなの無理ですから^^;。
できるところから進めていけば、自然と聞き取れる所も増えていき、シャドーイングできるところも増えていきます。
できた人はリピーティングへ
*以下で紹介する”リピーティング”はシャドーイングができてからなので、スピードラーニング開始から6ヶ月以降くらいから取り組んでみましょう。
シャドーイングは英文を聞きながら話します。
英語からワンテンポ遅れて話すものです。
聞きながら話すというと難しく聞こえるかもしれませんが、内容がある程度頭に入った状態でいざやってみると、意外と簡単です。
このシャドーイングが簡単にできるようなら、より難易度の高いリピーティングをやってみましょう。
リピーティングとは、英語が区切られるまで聞いて、聞いた分を全て話すというトレーニングです。
スピードラーニングは長い文は区切られていますので、リピーティングもしやすいです。
日本語が流れている間に、英語のリピートを行いましょう。
日本語は全く聞かないということになりますが、上述の通り、内容が頭に入っている段階ですので、日本語は聞かなくても問題ありません。
リピーティングは、直前に聞いた英文を覚えていないとできないですし、話すのに使える時間が短くなるので、よりスムーズに発声しなければなりません。
リピーティングは聞いて覚える必要があるので、”ただの記憶力のトレーニングで英語力に無関係”と思っている方がいますが、そうではありません。
覚えるリピーティングのほうが、シャドーイングより優れているのは
- 英語を覚えてから話すので、英単語・英文が記憶に定着しやすい
- 覚え切れなかったところを自分で埋める必要があるので、英作文能力を高められる
- シャドーイングより短時間で発声を終える必要があるので、スムーズですばやく話す力を鍛えられる
という点があるためです。
記憶し易いというのは、覚えようとしないものより、一瞬でも覚えようと意識したものの方が記憶に定着し易いということです。
例えば、普通に本を読んでも文章そのままを記憶することは難しいです。それより、一文読んで本を閉じて復唱する、というのをくり返したほうが覚えられますよね。
英作文能力を高めるというところは、リピーティングでは自分で考える必要が出てくるからです。
リピーティングのときは聞いた英文を覚えるわけですが、完全には覚え切れないのが普通です。また、聞き取ろうにも前置詞などほとんど発音されない語もあります。
そのなかで英文を発声しようとすると、「忘れたけど、ここには何か単語が入るはず」、「このままでは不自然、なにか聞き取れなかったんだな」となります。
そこで、英文の穴埋め問題のように足りない語を埋めるように、自分で考えながら英文を発声することになります。
足りない部分を自分で考えて英文を作ることをくり返すことで、英会話・英作文の力を高めることができるのです。
そんなすばらしいリピーティングですが、シャドーイングよりかなり難しいです。
「リピーティングは難しすぎる!」という時におすすめなのが、
シャドーイング+リピーティングのセットです。
これは、
- 英語からワンテンポ遅れてシャドーイングして、
- 日本語音声が流れている間にリピーティングを行う
というものです。英文を1回聞いて2回発声するわけです。
一度シャドーイングをすると記憶に英語の音が残りやすいので、リピーティングが格段にやりやすくなります。
リピーティングは必須ではないですが非常に効果的なトレーニングなので、シャドーイングに余裕のある人はぜひチャレンジしてみてください。
特にシャドーイング+リピーティングのセットトレーニングは、記憶に残りやすいのでおすすめです。
逆に、シャドーイング+リピーティングだと聞き取りがうまくできない箇所では、シャドーイングをやめ、リピーティングに集中すると良いでしょう。
シャドーイングのときもイメージは大切に
第1段階の「まず聞く」で状況を頭に思い浮かべる、イメージを持つことが大事と書きましたが、シャドーイングのときも同じです。
英語を聞いているときは、必ず英語で語られている状況を頭に思い浮かべるようにしましょう。
これは、スピードラーニングを聞いているときに限りません。
TOEICの勉強はもちろん、試験の最中でもイメージすることは重要です。どんな英文を読んでいるときも、必ずイメージするよう癖をつけておきましょう。TOEICテスト中も必ずイメージを持つようにすると、スコアが変わってきますよ。
イメージすると頭の中で映像化されるので、漠然と読み・聞きしている時より理解力がかなり高まります。
人目がある所・電車内でシャドーイング。口だけでも動かす
スピードラーニングをやるなら、電車やバスなどで移動中にという人は多いでしょう。 でも、移動中にぼそぼそと声を出すのは、ちょっとためらわれますよね^^;
特にバス。
電車はまだ、ずっと移動音があるから気になりにくいです。
でも、バスはいきなり止まったりしてシーンと静かになるので、その中でぼそぼそ話していたら周りの目がかなり気になります。
私がやっていた対策としては、
- ノートやテキストで口元を隠し、声もさえぎる
- すごく小さい声でシャドーイング
- 電車の連結部分など、人のいないうるさいところへ
- 声を出さずに口だけ動かし、心の中でシャドーイング
まず、テキストなどで口を隠してください。スピードラーニングのテキストを使う必要はありません。スピードラーニングのテキストは、CDの英文が載っているのでむしろ使わない方がいいです。
小さなノートや、関係の無い英語の本などで口元を隠しましょう。
これで口の動きが見られなくなりますので、「一人で口をパクパクしている変なヒト」みたいに見られることはありません。
少し見られても「あぁ、英語を勉強しているんだな」とわかってもらえます。立体型マスクでも口は隠せるのですが、若干動きますので、何らかのテキストがあったほうが良いですね。
これが無いと何を勉強しているかも伝わらないので、変な目で見られちゃいます^^;
また、口の前に本をかざして音を反射させることで、周囲に声が伝わりにくくなると同時に、自分には声が聞こえやすくなります。
これで、すごく小さい声でのシャドーイングができる状況は増えます。
また、私は新幹線通勤だったので客席のない連結部分がありました。
ここは人もいないですし、電車の音がうるさく、声が他の人に聞こえにくいので、シャドーイングするときは主にこの連結部分にいました。
どうしても発声できない場合もあります。
そんなときは、声を出さずに口だけ動かしてください。そして、心の中で声を出してください。
口は必ず動かしてください。
どんな学習でも、アウトプットの動作に反映させる、というのが上達の肝です。
教科書を黙読するだけでなく音読する、黒板を見るだけでなくノートに書き写す。
このように、学習するものに、さらにアウトプットの動作を加えることで学習効果は高まります。
英語も聞くという受動的な学習だけでなく、口を動かすという能動的なアウトプット動作を加えることで学習効果を高めましょう。
声を出せればより能動的ですし、耳から自分の声も入ってくるので良いのですが、 声を出せない状況なら仕方ないです。口だけでも動かしましょう。そして、心の中で声を出しましょう。
聞き取りに集中したい英文はリスニングに集中
さて、シャドーイングをしていると、細かな音が聞き取れないときがあります。
「あれ?ほんとうにこれで正しいかな?」
「シャドーイングでは何か単語が抜けているような?」
そのような、聞き取りに不安を感じる箇所ではシャドーイングをいったん中止して、リスニングに集中しましょう。
シャドーイングで不安を感じたところに音声を戻して、聞き取りに集中しても良いです。
わざわざ音声を戻す手間はかけられない、という場合は次回聞くときにその部分は聞き取りに集中してみましょう。
「集中してもやっぱりわからない」という場合、気にせず流しましょう。次の第3段階で解決できますし、こだわりすぎないことが大事です。こだわりすぎると継続自体がつらくなってしまいます。
わからないところがあるのは当然です。英語力がついてくれば、そのうちわかるようになりますから。そのうちできるようになるんだと、気にせず聞き流しましょう。